| 2006年5月22日 UP ニューチャーネットワークス・文 |
欧米の経営と比較し一般的に「現場の実行力が高い」と言われる日本の経営ですが、もちろん弱い点もあります。それは「戦略的な意思決定」のスキルです。それにはいくつかの理由が挙げられます。欧米の経営と比較して日本の経営では、「意思決定」と「執行」が明確に分離されていなかったことや、個人ではなく集団で意思決定責任を負う傾向があることなどです。そのためもあり、日本では経営者個人の意思決定力を厳しく鍛える機会が欧米の経営に比べ少なかったのではないかと思われます。意思決定の機会が少ないという点に関して言えば、日本の雇用慣行では、社員が戦略的意思決定を必要とする立場に昇格するまでに長い時間がかかることも挙げられます。
例えば、友好的なM&Aで多くの成功を収めておられる日本電産の永守 重信 社長は、経営者を集めた講演で、「経営者を早くやればやるほど、プロの経営者になる確率は高い。 40 歳よりも、30 歳、30 歳よりも20歳がいい」と若いうちに戦略的な意思決定の経験を積むことを勧めておられます。
多くの日本企業では、戦略的な意思決定に参画するまで長い時間を待たなければならないのが一般的でした。しかし最近は実質的な戦略的意思決定を担う層がしだいに若くなっていく傾向が見られます。そして人によっては、予期せずその立場につく人も多いようです。
私たちがコンサルティングの現場で見ていると、突然そのような立場や地位に配置され必要に迫られて初めて、戦略的な意思決定の方法を学び始める人も少なくないことに気づきます。現場で経験することは決して悪いことではないのですが、「戦場に行って、戦い方を勉強する」ようでは、最初から競争上不利な立場で戦わなければならないことになります。
そこで大事なのは、現在意思決定の機会がある、ないにかかわらず、戦略的な意思決定力を常日頃から鍛えておくことです。
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