| 2007年7月11日 UP ニューチャーネットワークス・文 |
企業の悩み:
先日聴いた講演の中で、著名な経済評論家が「マクロ環境分析を行い、中長期の産業構造の変化を先読みして、あらかじめ布石を打つことが経営トップの役割である」と発言していました。確かに、自社を取り巻くマクロ環境分析の重要性についての認識は持っているのですが、実際のところ、将来のマクロ環境要因の変化をどのように見極めればよいのでしょうか?
日本の大手通信サービス S 社の創業者でもある S 社長の話です。
「わが社は、『デジタル情報革命を通じ、ブロードバンドで人々のライフスタイルをより豊かで楽しいものに変えていく』という強い信念のもと、規制が多い日本の通信業界に挑戦し続け、一定の成果は上げてきたつもりです。しかし今後、我々が思い描く、いつでも、どこでも、誰とでも、必要な情報へのアクセスが可能となる真のデジタル情報革命の実現に際して、障害となる環境要因をどのように特定したらよいのでしょうか?」
今までの S 社は、コンピュータ時代の到来を見通し、ブロードバンドの普及といったインターネットの技術革新の進展を事業機会ととらえ、様々な分野でブロードバンドサービスを提供することで業績を拡大してきました。 S 社は、今後のさらなる事業拡大のために、こうしたマクロ環境の変化を読み解き、いち早く新たな成長戦略の方向性を探り出す必要に迫られています。
通常、企業においては、経営戦略を立案する前に、まず自社を取り巻くマクロ環境分析を行い、今後の事業を成長/発展させるための自社の方向性を決定します。次に、その方向性に沿って重点的に自社の戦場として想定される、より具体的な産業や業界の分析(例えば、5フォース分析:第1回参照)を行い、それに基づき経営戦略を策定し、その戦略実現のための具体的な戦術を企画します。筋のよい戦略を策定するためには、マクロ環境分析と業界構造分析は不可欠です。
ここでは、マクロ環境分析の一つの手法である PEST 分析を紹介します。 PEST とは、政治的要因( Political factors )、経済的要因( Economic factors )、社会・文化的要因( Socio-cultural factors )、技術的要因( Technological factors )を表しています。自社に外部から直接的間接的に影響を与える将来のマクロ環境要因を、これらの4つのカテゴリーに分けて整理し、自社の業績やこれからの戦略に与えるインパクトをそれぞれ評価します。
ここで注意しなければいけないことは、それぞれの要因を細かく挙げて羅列するのではなく、様々な事象の中から、特に企業にとって重要なものを絞り込み、具体的にかつ簡潔にその要因を表してみることです。4つのカテゴリーの内容と個別の企業の関係を示した図は以下のとおりです。

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