| 2008年3月26日 UP ニューチャーネットワークス・文 |
企業の悩み:
日本において少子高齢化が進行し、国内市場の需要が減少するのは確実です。国内市場の縮小を克服し、自社のさらなる発展拡大を図るため、近年海外市場向けのビジネスに注力してきましたが、国内市場が利益の大半を占めている現実をなかなか変えられません。当社の経営陣も、日本国内の経営環境については精通しているものの、海外市場は古くからの付き合いがある総合商社に任せっきりであったためか、具体的な打開策を描けず、大変悩んでいます。当社が、「ボーダーレス経済」がいっそう進む21世紀を生き残るためには、どのような選択があるのでしょうか?
総合食品メーカーA社の子会社(B国現地法人)の元社長U氏の話です。
「わが社がB国に進出した当初は、B国の日系人が経営する日本料理店向けの調味料だけを日本から輸入していました。しかし、日系人向けのビジネスだけでは発展性がなく、1億8000万人のB国民全てに受け入れられる国民食のようなものとして使われる調味料を開発できれば、新たなビジネスチャンスになります。ただ、日本国内でトップシェアを誇るわが社であっても、B国では“新参者”であり、B国の食文化にいかに対応するか、当時は大変悩みました」
国内市場への依存度が高い日本企業であっても、少子高齢化社会が進み、国内市場が成熟している以上、今後の成長の活路として海外市場へ進出しようとするのは必然です。韓国、中国の新興企業が急追する中、「世界市場を視野に入れたボーダーレス経済を前提にした骨太の成長戦略が描けるかどうか」が、日本企業の将来を左右する時代になったといえるでしょう。
ドメスティックな産業として評されることが多かった日本のエンターテイメント産業でさえ、既にアジア市場での展開を念頭に置いたマーケティング戦略立案が常態化し、ボーダーレス化の流れは加速する一方です。しかし、米国のスポーツ用品メーカーN社のように、生産拠点の最適な再配置が、現地労働者の不安定な雇用、労働条件の悪化につながるとして、国内外で激しい摩擦を引き起こすなど、世界市場での事業活動は、単なる国内のエリア拡大とは全く次元が違うレベルの問題を発生させることになりかねません。
こうした中、日本企業はこれからボーダーレス経済にいかにして戦略的に対応するべきなのか、具体的に検討してみましょう。
ボーダーレス経済を分析する際には、国、地域、経済圏等の世界経済の動向を鳥瞰的に把握し、ポートフォリオの視点で検討することが重要です。具体的には、ポートフォリオを構成する国々の関係を考えて、各国間の連携のあり方の基本方針を見極めます。

ボーダーレス経済への戦略的対応は、自社が所属している産業や業界の特性・競争構造、さらに歴史や国際的な経営の統合能力などによって大きく変わります。これらを総合的に判断した上で、自社に適合した戦略を打ち出すことが重要です。以下では、それぞれについて詳しく見ていくことにします。

| ▲ ページトップへ戻る |