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高橋透の組織の中の“挑戦するリーダー”を探せ バックナンバー
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プロフィール:高橋透
ニューチャーネットワークス:高橋透上智大学経済学部、旭硝子(株)コンサルティング会社を経て  現在ニューチャーネットワークスグループ代表。  事業戦略、新事業・成長戦略、アライアンス戦略、役員、経営幹部研修  などに従事。主な著書、訳書に「事業戦略計画のつくりかた」「図解技術  マーケティング」「GEワークアウト」など
 2006年7月26日 UP
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差別化はすでに目標設定から始まっている 連載3
高橋 透:文

 

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戦略企画ができることと業績が良いことが一致するとは限らない


 私の仕事は主に、お客様に事業戦略の方法論をお伝えしたり、お客様の具体的案件に関して事業戦略を一緒に考えるというものです。そのような戦略の仕事にかかわってきて、ここ数年感じていることがあります。それは、「戦略企画をたてられる人がたくさんいる組織」と「業績のよい組織」が一致するとは限らないということです。


 私がお仕事をさせていただいている、ここ10年間業績の良いある会社で、中核人材の研修やワークショップコンサルティングに行ってみて意外に感じたことがあります。それは、社員のみなさんが、いわゆるMBA式の戦略企画の知識はあまりお持ちでないことです。


 戦略企画の知識の有無でないとしたら、一体何が好業績の要因なのでしょうか。その背景には様々なことがあると考えられますが、はっきり言えるのは次の3つのことです。


1.目標が明確でそれが強く意識されていること
2.目標と現状のギャップが自覚できていること
3.ギャップを埋める課題とその優先順位が明確であること


 業績の良い会社や組織、リーダーに共通するのは、必ずしも戦略手法を知っていることではなく、目標に対する意識、姿勢が徹底されていることだと気づきました。それらが徹底されていなければ、いくらMBA的な戦略手法を伝えても、業績が良くなるとは限らないのです。


 そのことに気づいてからは、戦略企画などをご支援させていただく前に、研修の受講生やプロジェクトメンバーが会社や組織の目標についてどの程度理解しているかを、確認させていただくようにしています。


 目標があまり理解されていない場合は、目標を再確認し、その目標に対し何が課題になっているか、その解決策は何か、今やらなければならないことは何かを確認するようにしています。戦略を学ぶ大前提として、まず自社、組織の現在の目標を理解しておくことが重要であることをしつこいくらいお伝えするのです。


図版:業績を上げるための目標に関する基本思考

差がでるのは効果的な目標を持っているか否かによる


 上記3つをより深くご理解いただくために、勝ち負けのはっきりしたスポーツの例で考えたいと思います。


 ある中学校にバスケットボール部があるとしましょう。このバスケットボール部は少しでも強くなるために毎日練習しています。監督をはじめメンバー全員は、なんとなくですが、上位3校に入りたいと思っています。そのことは、みなあまりはっきりは口に出しません。しかし、定期的に行われる地区大会などの前には、いつもより長い時間練習をします。地区大会のトーナメントの試合ではそこそこ勝つことはできていますが、上位3校には入れません。実際、試合で上位3校に当たると必ずそこで敗退してしまいます。聞くところによると、この中学のバスケット部の練習量は、優勝チームよりも多かったそうです。この中学のバスケットボール部はなぜ上位3校に入れないのでしょうか?


 原因は、まず目標設定のあいまいさにあります。地区優勝を目指すのか、地区3位以内を目指すのかが不明確です。「今年中に上位3校に入る」あるいは「2年後には地区で優勝する」といった明確な目標設定が必要です。練習量は多いにもかかわらず、地区で上位3位に入るために効果的な練習とはどのようなものかが意識されていません。これまでは、個々人が漠然と「勝つためにうまくなりたい」と思って、単に練習量を増やすなどして練習をし続けてきており、具体的に勝つための目標が意識されていなかったのです。


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