高橋 透:文
新たな組織モデル:
「価値共創型」「創発型」マネジメント
日本企業のみならず、世界の企業、政府、NPOなどの組織は、これまでのようなトップダウン型のマネジメント、もしくは閉じられた範囲での対処療法的な「改善」中心のマネジメントを脱する必要があります。そして「価値共創」「創発」的な要素を組織運営に取り込まなければ、今後の成長、発展は難しいと言えるでしょう。
この「共創」「創発」という概念は、われわれの仕事、生活、生き方までを大きく変える潮流です。『コア・コンピタンス経営』を著したミシガン大学C・K・プラハラード教授は、近年、ラマスワミ教授との共著書『価値共創の未来へ〜顧客と企業のCo−Creation(共創)』で次のように述べています。
「企業が中心となって価値を創造するという産業体系は、過去100年に以上に渡って優れた成果を上げてきたが、最近の現実は、この伝統的体系に見直しを迫っているようだ。価値の創造のためのあらたな枠組みが求められている。価値の『共創』という従来にない発想こそが、その新たな枠組みにあたるだろう。そして共創の出発点となるのが、消費者の役割変化なのである」
一方「創発」とはどのような概念なのでしょうか。東京大学人工物研究センター共創工学部門の上田完次教授によると「創発とは、要素間の局所的な相互作用により大域的挙動が現れ、その大域的挙動が要素の振る舞いを拘束するという双方向の動的過程を通じて、新しい機能や形質、行動を示す秩序が形成されること」(「共創とは何か」上田完次他著)と示されています。
C・K・プラハラード教授の「共創」、ならびに上田完次教授の「創発」の概念からは、これからの時代の潮流を表すものとして、「自律した個」「ネットワーク社会」「多様性」「複雑さ」「相互関係」「ボトムアップ&トップダウン」といったキーワードが見えてきます。