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高橋透の組織の中の“挑戦するリーダー”を探せ バックナンバー
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プロフィール:高橋透
ニューチャーネットワークス:高橋透上智大学経済学部、旭硝子(株)コンサルティング会社を経て  現在ニューチャーネットワークスグループ代表。  事業戦略、新事業・成長戦略、アライアンス戦略、役員、経営幹部研修  などに従事。主な著書、訳書に「事業戦略計画のつくりかた」「図解技術  マーケティング」「GEワークアウト」など
 2008年1月16日 UP
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vol.8 企業・業界の壁を越え、人の考えや気持ちに注目して「価値共創」を
高橋 透:文
 
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 皆様、新年明けましておめでとうございます。新たな年の始まりに、皆様のビジネスや生活が真に豊かなものになりますよう、お祈りいたします。


 経済界の昨年一年を振り返ってみますと、京都清水寺の“今年の漢字”として「偽」という字が選ばれるなど、多くの企業や組織の偽りが表面化し、組織内の常識や管理体制の不備の問題が厳しく問われました。また資源高による製品値上げ、人材不足からの賃金上昇など、企業にとってコストアップ要因が多くなり、業績にも影響が出てきました。また米国サブプライムローン問題などに見られるように、日本には直接関係なさそうな海外環境の変動でも、グローバル経済の連鎖により日本経済に大きな影響を与えることを実感しました。このように、直接あるいは間接的な変化の中で、組織そして個人として生き延び、繁栄するのはたやすくはないことを痛感した一年だったと言えるでしょう。


 一方で、この変化をむしろビジネスチャンスととらえ、柔軟な発想で成果に結び付けていくことも十分に可能なはずです。経済活動の根底には、必ず人の考えや気持ちが存在します。変化をビジネスチャンスにできるかどうかは、起点となる「人の考え、気持ち」にあらためて注目する必要があるのではないでしょうか。


 新年第1号のネクストリーダーでは、「人の考え、気持ち」を起点にし、私なりに今年の経済に関する展望を述べてみたいと思います。


(1)2008年は世界経済、そして日本経済のターニングポイント。いかに変動を吸収できる組織になれるかが重要

 

 これまで上り調子であった米国経済が、サブプライム問題をきっかけに昨年秋から急速に悪化してきています。ご存じのようにサブプライム問題は、米国のみならず、ヨーロッパをはじめグローバル経済に大きな影響を与えました。BRICSといわれる急成長国の経済の拡大に支えられてきた世界経済も、ところどころに危うさが見られます。2008年は、オリンピック景気で膨張気味の中国経済や、資源の高騰で莫大な利益を得ているロシア経済、そしてアラブ諸国などでの急成長のひずみが目立ってくる可能性があります。


 もはや経済のグローバル化は、金融分野だけでなく、食料、耐久消費財、生産財などの実物経済から、情報システムをはじめとする管理間接業務まで、我々の生活や仕事の隅々まで浸透しています。そのため経済の変動幅が大きくなり、我々の身近なところまで迫ってきているのです。私たちのビジネス活動は、これまで以上に変動に耐えうるものにしておかなければなりません。変動に耐えるには、まずは小さな組織または個人レベルで、機動的な動きができるようにしておく必要があります。またビジネスのポートフォリオの多様化、さらに技術やスキルも、多様な市場や顧客に対応できるようにしておくことが重要ではないでしょうか。

(2)あらためて真の豊かさ、上質さとは何かが問われる

 

 ここ数年「○○の品格」と題した書籍がヒットしています。これまで社会全体が経済的な側面ばかりに力を入れすぎ、人の情念や思想といった精神文化が置き去りにされてきたためでしょう。経済格差が広がる中、皮肉なことに経済的に成功した人や組織が必ずしも「精神的な豊かさ」を獲得できていないことも多いように思われます。むしろ貧困層といわれる人たちでも、地域や家族との愛をはぐくみ、健康的で幸せな暮らしをしている場合が少なくないような気がします。詩人の加島祥造氏の『もとめない」や「老子」に関する書籍、雑誌『ソトコト」などの人気に見られるように、「自然とのかかわり」「ゆったりとした自分の時間」など、経済的な成功とは異なる精神的な豊かさが注目されています。


 2008年は、これまで以上に「本当の豊かさ」「本当の上質さ」が問われる年であると思います。これからの豊かさは、経済的なものばかりではなく、金銭をこえた「感動」「心のふれあい」「思いやりや愛情」といった、「こころ」の側面が重要視されるでしょう。客観的なものさしに従うよりも、物事をどう感じ、どう考えるかという自分自身の価値判断が問われる時代になりつつあります。「こころ」をいかに豊かな状態にしておけるかが、これからの私たちの大きな課題といえます。


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