VOL.3 価値共創の時代の新たな戦略企画手法「研究開発パワーアップ」
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vol3:価値共創の時代の新たな戦略企画手法「研究開発パワーアップ」
2007年6月27日UP

 企業における研究開発部門の役割が大きく変化してきた。いわゆる第1世代とよばれるR&D( Research & Development )では、個々の研究者が自分の興味のあるテーマに取り組み、その成果をベースに事業化していった。第2世代のR&Dでは効率化が行われ、第3世代のR&Dでは戦略的な取り組みが行われた。そこでは経営トップ層が戦略をつくりトップダウンで実行に移していた。


 しかし昨今、市場環境や技術開発環境が極めて複雑化し、研究開発部門は効果的な戦略を打ち出せずにいる。今回は、化学メーカー「α社」という企業を例にして、日本の製造業の研究開発部門においてよく耳にする現状の問題点と、それを打破する取り組みについて考えてみたい。


1.α社の研究開発部の悩み

 α社は、今年創立50周年を迎える日本の老舗化学メーカーである。高度成長期には、市場拡大の流れに乗り、安定した収益拡大を続けてきた。しかし、最近は、安い人件費を武器にしたアジアの化学メーカーの台頭により、汎用品の分野では大きく市場シェアを奪われつつある。また化学業界の「2007年問題」もある。すなわち中東の産油国が最新鋭の大型の化学プラントを建設し、汎用品を低コストでグローバル供給しようという大きな動きも出てきた。


 日本の化学メーカーは人件費の負担が大きく、石油などの原料を他国からの輸入に頼っているため、高付加価値な製品や事業を展開するしかない。そのためには市場や社会のトレンドを読み、顧客の潜在ニーズをくみ上げ、他社のマネではない独自の製品を開発する必要がある。α社は現時点でも高付加価値製品を扱っているが、その売上構成比はせいぜい1、2割であった。今後、研究開発のウエイトを、汎用品から高付加価値製品へ大きく転換していく必要がありそうだ。


 しかし、これらを実行していくには、これまでのマネジメントスタイルを大きく変えなければならない。あるべき姿に向け、どのように取り組んでいったらよいのか──。今年度、研究開発本部に新しく着任した鈴木本部長は悩んでいた。


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