VOL.7

新商品コンセプトメイク(前編)

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Vol.07:新商品コンセプトメイク(前編)
2008年2月13日UP

現場から新商品・新事業のアイデアが出てこない

 かつては憧れの職種、部門であった新商品・新事業開発部門や研究所。今はそうとも言えないようである。「管理部門や事業部のラインの仕事でその道のプロを目指した方が、比較的先が見えてリスクが少ない」といった話もよく聞く。


 これまで多くの企業の新商品・新事業開発戦略は、業績や状況次第で、大きく揺れ続いてきた。業績が良くなれば、「企業成長の“玉”が不足している」と言われて新商品、新事業、研究開発が注目され、逆に業績が悪化すれば、「選択と集中」というかけ声の下、事業の撤退、研究テーマの打ち切りや変更が行なわれる。企業の業績が比較的改善してきた今、多くの企業では、新商品開発に対する関心が再び高まっている。


 その繰り返しの中で、企業の開発職に就く人の多くは、自分から積極的に開発テーマを挙げて自らリスクを抱えるより、組織上層部が決めた開発テーマに淡々と取り組む傾向が強くなっているような気がする。


 最近、我々コンサルタントに対しても、「開発部門の活性化を促進してほしい」「独創的な新商品の企画の方法はないか」「企画ができる研究者を育成するにはどうしたらよいか」といった問い合わせが多い。中でも食品、家電、オーディオ、家具、自動車関連といった、いわば商品企画の花形的な業界でこれらの悩みを抱えている企業が多い。そのような企業の開発の現場のメンバーに会ってみると、どうやら業界に関わらず問題が共通しているようなのだ。


・開発業務以外の仕事が多く、時間の自由度がほとんどない

・顧客や市場と接点をもつ自由な時間が持てない

・消費者のライフスタイルを実感する余裕、機会が少ない

・開発テーマのすべてがトップダウンで示される。しかしその多くはヒットしないのが最初から分かっている

・情報機密管理が厳しすぎて、関連する他社とのコンタクトが自由にできない

・最低 5 年はかかる開発テーマが、 3 年ごとに変わる。開発の方針に一貫性がない
・競合の後追い開発が多く、やりがいがない

・開発組織上層部や開発担当役員が、新商品、新事業の開発での成功体験がない。逆に過去の成功体験で判断しようとする。または判断できない


新商品・新事業開発部門で必要なのは「自発」「自由」「相互関係」

 このような問題を集約してみると、問題は大きく三つにまとめられる。


 一つは、企画開発の原動力であるべきメンバーの自発性がほとんど尊重されていないことであろう。 最近の多くの開発テーマは、市場分析や競争戦略から割り出されたものが組織の上から現場に落とされたものである。


 しかし企画開発の仕事とは、絶えず変化する市場の中で、企画開発者の五感を総動員して、偶発的チャンスをも取り込み、企画開発の方向性を創発していく「信念」「熱意」そして「粘り」が必要となる。その原点は「自分の一生をかけてもやってみたいこと」を強く持っていることである。開発メンバーが自発的にやりたいことと会社が競争上やるべきこととの十分なすり合わせがないまま、テーマが一方的に落ちてきて、いわば業務としての開発が行なわれている。


  二つ目の問題は、開発メンバーの「時間の自由度」がなくなってきていることである。 様々な管理作業、特に情報管理に関する煩雑な業務が多くなり、開発業務に没頭できる時間がどんどん減ってきている。残業規制などがかえって、開発業務に集中できなくなる要因になっている可能性もあるだろう。


 企画開発の仕事で新たな創造を生み出すには、「自由」が必要である。企画開発に携わるメンバーに自由な時間を与えることで、過去の法則や方法に縛られない、むしろそれを打ち破り偶発的なことをも取り込んだ新たな創造が生みだされる。


  三つ目は、顧客、エンドユーザーも含めた社内外の異なる分野の人や知識との接点が少なくなり、視野が狭くなっていることである。企画開発スピードアップのために業務を細切れに徹底分業し、かなり狭い範囲で生産性を高めようとするあまり、あたかも自分の仕事が単独で成り立っているかのような錯覚に陥る危険性が高まっている。


 組織や業務はもちろんのこと、組織や業務活動が作りだした商品やサービスも、現実には単独で存在していない。他の業界の様々な商品やサービス、そして消費者の生活スタイル、行動、価値観、時代の流れなど、様々な相互関係の中から、自社の商品サービスが利用され、価値を生み出しているのである。


図:新商品・新事業開発部門での3つの問題

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