成長戦略コンセプト:質の高い成長とは何か、どうしたらそれを継続できるか
コラム3
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第4回
2006年12月13日 UP
ニューチャーネットワークス・文
vol4:企業の成長とは何か

過去最高益、しかし株価は低迷──。その原因は何か?


 11月は、3月を決算期とする企業にとって中間決算発表の時期である。10年以上も続いた景気低迷の中で、多くの企業は必死の努力で業績を回復させ、さらに昨年秋からの日本経済の復活の風に乗って、増収増益や最高益を記録している。


 にもかかわらず、企業の株価は今ひとつパッとしない。原因は、日本企業が株主に対して将来の成長力を明確に示せていない点にあると思われる。株主同様、社員もまた好業績に伴う繁忙感の中で、会社や組織の将来に対して漠然とした不安を抱いているのではなかろうか。


 会社や事業の業績は良いのに、将来の成長性が見えにくい。このような状況を打破するためには、明確な成長戦略ビジョンを提示することが必要である。しかし戦略ビジョンを考える前に、会社や事業の「成長」とは一体何を指すのか、そして自分が所属する会社や事業あるいは組織において、その成長をどのようにマネジメントすべきかをしっかりと考えなければならない。


会社や事業の成長とは一体何を指し示すのか?


 「ウチの会社は成長している」という場合、何が成長していることを示すのだろうか?売上かそれとも営業利益や経常利益か。設備や従業員数の拡大であろうか。あるいは、より多くの現金をもっていることだろうか。確かに、これらはすべて企業の成長指標であるといえる。何を成長の指標にするかは、それぞれの企業の考えや、業界の違い、時代環境によっても異なる。しかし一番大切なのは、それらに左右されない基本的な成長指標とは何かということだ。


 ここでは、基本的な成長指標として2つ取りあげたい。1つは「継続した利益の拡大」ともう1つは「最適資産の蓄積」である。以下、この2つの成長指標に関して述べよう。


基本的な成長指標(1):「継続した利益の拡大」


 当然ながら利益の拡大は、「売上の拡大」と「コスト競争力」の上に成り立っている。売上拡大は大切な成長指標ではあるが、それだけでは継続した成長ができるとは限らない。売上の拡大とともに、コスト競争力を向上させる必要がある。


 まず売上の拡大を決める要素は、次の大きく4つに分けられる。1つは取引顧客数もしくは一顧客当たりの取引金額の拡大などの「顧客基盤」の成長。2つ目は「商品・サービスの魅力のアップ」。3つ目は、企業やカテゴリーの「ブランドイメージ」。4つ目は、リピート受注が可能かどうかなどの「顧客との関係性」や、顧客の要求にどれだけ対応できるかなどの「顧客対応力」などである。


 もう一方のコスト競争力とは、経営資源を業務プロセスに投入し、どれだけ経営資源の無駄なく、効率的に、求められる成果につなげることができるかを示す。その業務プロセスは、大きく、現在の事業を支える「オペレーションプロセス」と、事業の将来を創造し、切りひらいていく「イノベーションプロセス」に分けられる。具体的にオペレーションプロセスは、製造、物流、営業などである。イノベーションプロセスは経営戦略、新事業開発、研究開発などである。


 また、業務プロセスに投入される経営資源とは、いわゆる「人、モノ、カネ」などであり、具体的には人財、知識、技術スキル、インテリジェンス、設備や情報システム、資金などである。


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